都市のすぐそばにある、自然を楽しむための余白


二子玉川ネイチャーズデイ2026開催レポート

2026年5月9日(土)、二子玉川公園前の多摩川河川敷で開催された「二子玉川ネイチャーズデイ2026」。

外で過ごすには気持ちのいい一日となりました。
会場には、少しずつ広がるピクニックシートやポップアップテント。
芝生を走るこどもたちの声。
風に流れていくシャボン玉。
川沿いを歩きながら、ふらりと立ち寄る人の姿。

二子玉川ネイチャーズデイは、二子玉川エリアのアウトドアブランドや地域のプレイヤーが集まり、自然体験を通じて人やものがつながる場所をつくるイベントです。

走る、つくる、見つける、味わう、火を囲む。
多摩川の自然を、いろいろな角度から楽しむ一日。

でも、このイベントの魅力は、コンテンツを順番にまわることだけではありません。

シートを広げてのんびり過ごす人。
ポップアップテントの下で休憩する家族。
外遊びの道具を借りて、そのまま芝生へ走っていくこどもたち。

都市生活のすぐそばに、こんなふうに自由に過ごせる余白がある。
そのことを、あらためて感じる時間になりました。

オッシュマンズ 二子玉川店

プロギング / On ランニングシューズフィッティング / オゴスポーツ / アウトドアバドミントン貸し出し

オッシュマンズ 二子玉川店は、プロギング、On ランニングシューズフィッティング、オゴスポーツ/アウトドアバドミントンの貸し出しを実施。

芝生の上にはOnのシューズ。スタッフのサポートを受けながらフィッティングを体験し、そのまま多摩川沿いを走る参加者たち。外遊びの貸し出しでは、親子やこどもたちが道具を手に取り、そのまま芝生へ。

走る、投げる、遊ぶ。特別な準備をしなくても、外に出てみたくなるきっかけが、
芝生の上に広がっていました。

KEEN GARAGE二子玉川

廃棄プラスチックをアップサイクルしたパーツのワークショップ

KEEN GARAGE二子玉川は、廃棄プラスチックをアップサイクルしたパーツを使ったワークショップを実施。

ペットボトルのふたなど、捨てられるはずだったプラスチックが、カラフルなパーツに生まれ変わる。
こどもたちは好きな色や形を選びながら、自分だけのアイテムづくりに夢中です。

「ごみ」だったものが、手を動かすことで楽しいものに変わっていく。
ものの見方が、少し変わるような体験でした。

THE NORTH FACE STANDARD 二子玉川

コーヒーがらを使ったオリジナルキャンドルづくり

THE NORTH FACE STANDARD 二子玉川は、コーヒーがらを使ったオリジナルキャンドルづくりを実施。

瓶の中に色を加えたり、香りをつけたり。こどもたちは、思い思いに素材を選びながら、自分だけのアロマキャンドルをつくっていきます。

キャンプや防災の場面で、ライトの代わりにもなるキャンドル。ものづくりの楽しさと、暮らしの中で役立つアウトドアの知恵に触れるコンテンツです。

全く同じものはできない。だからこそ、手元に残る小さな特別感。完成したキャンドルには、それぞれの選んだ色や香りが詰まっていました。

サロモンストア 二子玉川ライズ

二子玉ミニマラソン

サロモンストア 二子玉川ライズは、「二子玉ミニマラソン」を実施。

参加者はサロモンのシューズを履き、ランニング用のバッグを身につけてスタートラインへ。
大きなSALOMONゲートの下から、こどもたちや大人のランナーが一斉に走り出すと、会場からも声援があがります。

ぶっちぎりでゴールに飛び込むランナー。最後まで走り切ったランナーを迎える拍手。
「ナイスランでしたー!」の声とともに手渡される記録表。

それぞれのペースで走る、多摩川沿いの小さなレース。走り終えたあとの表情まで、気持ちのいいコンテンツとなりました。

スノーピーク 二子玉川

キッズ焚火体験

スノーピーク 二子玉川は、「キッズ焚火体験」を実施。

焚き火のつけ方から消し方までを、クイズと実践を通して学ぶ子ども向けの体験です。軍手をつけたこどもたちは、まず3択クイズで薪の種類や空気の役割を確認。

軽くて燃えやすい針葉樹。
重くて火持ちのよい広葉樹。
火を育てるために必要な空気。

スタッフのサポートのもとで実際に火をつけ、最後は燃えた薪をバケツの水へ。火がしっかり消えたことを確認して、無事に終了。

火をつける楽しさだけでなく、消すところまでが大切。キャンプやバーベキューにもつながる、火との安全な付き合い方を親子で学ぶ時間となりました。

THE NORTH FACE / NEUTRALWORKS. 玉川髙島屋S.C.

THE NORTH FACE / NEUTRALWORKS. モルック体験

THE NORTH FACE / NEUTRALWORKS. 玉川髙島屋S.C.は、「NEUTRALWORKS. モルック体験」を実施。

木のピンを倒して合計50点を目指す、北欧生まれのアウトドアゲーム「モルック」。木のぼうを投げるだけのシンプルな遊びですが、どのピンを狙うか、何点を取るかを考える面白さがあります。

広い空の下で、考えて、投げて、笑う。初めてでもすっと輪に入れる、気軽な外あそびのひとときでした。

パタゴニア 東京・二子玉川

多摩川の自然に触れるミニ体験とおはなし会

パタゴニア 東京・二子玉川は、「多摩川の自然に触れるミニ体験とおはなし会」を実施。

多摩川で見られる生きものについて学んだあと、こどもたちは双眼鏡を手に河川敷へ。講師の方の案内で、飛んでいる鳥の見つけ方や双眼鏡の使い方に触れながら、空や電信柱、草地の先にいる鳥を探します。

川沿いは視界が開けていて、草地も水辺もあるため、鳥や虫を観察するのにぴったりの場所。花が咲く場所には蝶が集まり、川沿いではイワツバメの姿も。

見つけるために、目をこらす。知ることで、もう一度まわりを見たくなる。身近な自然との距離が、少し近づくコンテンツでした。

身近なものから自然を考えるワークショップ

NAAM / NICOTAMAOUTDOOR CLUB/STANDARDSUPPLY / 世田谷区

ワークショップでは、NAAMによるストーンアート、NICOTAMA OUTDOOR CLUB / STANDARD SUPPLYによる空き瓶を再利用した虫除けキャンドルづくり、世田谷区による自然や緑、生きもののつながりを考えるプログラムを実施。

NAAMのストーンアートでは、多摩川上流の山から旅してきた石の中から、こどもたちがお気に入りのひとつを選び、自由にペイント。多摩川の絵本を読みながら、奥多摩から二子玉川までの長い川の流れに思いをめぐらせる時間もありました。

NICOTAMA OUTDOOR CLUB / STANDARD SUPPLYの虫除けキャンドルづくりでは、捨ててしまう空き瓶を使って、レモングラスやシトロネラの香りを加えながら、参加者それぞれのオリジナルキャンドルを制作。自然の中で心地よく過ごすための道具を、自分の手でつくるワークショップです。

世田谷区のワークショップでは、川には魚、畑にはモグラ、草むらにはバッタ、池にはカエル。身近な場所にいる生きものたちの関係を入口に、食物連鎖や外来種、川を汚さないこと、地球温暖化についても紹介。こどもたちは、「生きものや森を守るために、自分たちにできること」を考え、マグネットを貼りながら学びました。

身近な自然を守る行動を、自分ごととして考える時間。知ることから始まる、小さな一歩となりました。

思い出と遊びが芝生に広がる外あそび

移動写真屋monogram&PDAY / 多摩川グッズストア / お外であそぼ!

外あそびでは、移動写真屋 monogram & PDAYによる「ネイチャーズデイ写真館」、多摩川グッズストア、「お外であそぼ!」の外遊びエリアが登場。

ネイチャーズデイ写真館では、多摩川を背景に撮影した写真を、その場で小さな作品として残せる体験を提案。遊んだり、走ったり、ワークショップに参加したりする一日の思い出を、手に取れる形で持ち帰ることができます。

多摩川グッズストアには、流域を描いた手ぬぐい、Tシャツ、ステッカー、キーホルダーなど、多摩川にまつわるアイテムが並びました。川沿いの会場で、多摩川をモチーフにしたグッズを手に取る時間。遊びに来た一日の記憶を、暮らしの中へ持ち帰るようなひとときです。

そして会場の奥の「おそとであそぼ!」のエリアでは、ピクニックシートを広げたり、ポップアップテントを立てたり、芝生の上で自由に走り回ったり。二子玉川公園の中にもネイチャーズデイののぼりが並び、その奥には外遊びの貸し出しや、シャボン玉づくり体験がありました。

シャボン玉づくり体験 / し泡せ届け隊 シャボン玉オヤジでは、参加者自身もシャボン玉を飛ばして“し泡せ”体験。大きなシャボン玉が風にのって空へ飛んでいくと、「ほらほら見て、シャボン玉ー!」と追いかけるこどもたち。

青空に広がるシャボン玉。風に吹かれて、どこまでも追いかけたくなる風景がありました。

多摩川を借景に楽しむピクニック

茶の湯サロン 耀庵 / たまがわ和友楽

ピクニックでは、茶の湯サロン 耀庵による「ピクニック茶会(野点)」、たまがわ和友楽による「お茶々しませう❤️」、そして河川敷に並んだキッチンカーが、会場にゆるやかな休憩の時間をつくりました。

河川敷に現れた白い茶室のようなしつらえ。茶の湯サロン 耀庵の野点で、多摩川を借景に、浴衣姿の参加者がお茶を点てる姿は、自然の中に静かな時間が流れる印象的な風景です。洋服での参加もでき、希望するこどもは自分でお茶を点てる体験もありました。

たまがわ和友楽の「お茶々しませう❤️」では、キラキラハートの茶箱を使い、椅子とテーブルで気軽に楽しめる時間が流れました。暑い日だったため、氷水で茶碗を冷やしながらの茶箱点前も。

キッチンカーには、お弁当、ホットドッグ、クレープ、かき氷、ドリンクなど。ピクニックシートを広げて食べたり、外遊びやワークショップの合間にひと休みしたり。ランの途中に立ち寄って、ビールでほっと一息つく人の姿もありました。

多摩川の風を感じながら、思い思いに“外で食べる楽しさ”を味わう時間。それぞれのピクニック、それぞれの過ごし方が生まれていました。

足元の世界に目を向ける自然観察

二子玉川公園ビジターセンター / 365日野草生活®/ねおき

自然観察では、二子玉川公園ビジターセンターによる「多摩川で生きものさがしビンゴ!」と、365日野草生活®/ねおきによる野草と生きもののプログラムを実施。

二子玉川公園ビジターセンターの「多摩川で生きものさがしビンゴ!」では、ビンゴシートを手に河川敷へ出て、草地や水辺に暮らす生きものを探します。足元に目を向け、しゃがみ込んで観察する時間。いつもの河川敷が、少し違って見えるきっかけにもなります。

365日野草生活®/ねおきでは、「365日野草生活®/身近な野草でいろいろと楽しもう」と、生きものたちの関わりや環境を遊びながら学べるボードゲーム。河川敷にしゃがみ込んで足元の草花を見つめる時間、ゲームを通して、生きものが豊かに暮らせる環境を考える時間が生まれていました。

普段は通り過ぎてしまう草むらや身近な生きものにも、それぞれの名前や役割、つながりがある。足元の世界を、もう少し見てみたくなるコンテンツでした。

火と光がつくる夜の交流広場「TAKIBI NIGHT」

日が傾きはじめる頃、会場は「TAKIBI NIGHT」へ。

焚火のあたたかさと人のぬくもりが出会う、夜の交流広場です。焚火台を囲む人の輪。マシュマロを炙るこどもたち。コーヒーやビールを片手に、ゆっくりと過ごす大人たち。

昼間のにぎやかな外遊びとはまた違う、穏やかな時間。

スターバックスコーヒー 二子玉川公園店によるコーヒーの振る舞いもあり、焚火のそばで温かい一杯を受け取る姿も見られました。キッチンカーではマシュマロやビスケットも販売され、火を囲みながら“食べる楽しみ”も広がっていました。

夜にはアウトドア動画の上映や、シャボン玉オヤジによるナイトバブルも登場。ライトに照らされたシャボン玉が夜の河川敷に浮かび、昼間の青空とは違う幻想的な風景をつくります。

昼は青空に、夜は光の中に。一日を通して、シャボン玉が会場にやわらかな高揚感を添えていました。

みんなでつくる、多摩川の一日

会場では、東京都市大学 都市生活学部 斉藤研究室・諫川研究室の学生のみなさんも、ボランティアとして運営に参加。

受付や各コンテンツのサポートなど、イベントのあちこちに学生のみなさんの姿。来場者が安心して過ごせる場を、一緒につくってくれました。

アウトドアブランド、地域の出展者、大学生、来場者。それぞれが少しずつ関わりながら、河川敷の一日がつくられていきました。

自然を楽しむことは、遠くの山や森へ出かけることだけではありません。

川沿いで風を感じる。

草地にしゃがみ込む。

鳥を見つける。

石を手に取る。

火を囲む。

外で食べる。

シャボン玉を追いかける。

一つひとつの小さな体験が、自然を身近に感じるきっかけになります。

自然に触れる体験があるからこそ、「見つけたい」「知りたい」「守りたい」という気持ちが育っていく。

二子玉川ネイチャーズデイ 2026は、アウトドアの楽しさを入口に、都市の中で自然とともに過ごす豊かさを感じる一日となりました。

風の中で遊び、草の上に座り、火を囲んで過ごした時間の余韻が、会場のあちこちに残っていました。ご来場いただいたみなさま、ご協力いただいた出展者・関係者のみなさま、本当にありがとうございました。

これからも二子玉川ネイチャーズデイは、多摩川のある暮らしの中で、自然を楽しみ、学び、人やものがつながる場所を、みなさんと一緒に育てていきます。

photo: MANAHO KANEKO
movie: TAKURO YAMASHITA
text: RIE MURAO(murahata works)

この記事を書いた人

OgawaYusei