【終了報告】2022年度Mizube Fun Baseアウトドアオフィス事業

 多摩川河川敷をつかったまちづくりプロジェクト Mizube Fun Base(ミズベファンベース)の2022年度アウトドアオフィス事業「Outdoor Relax Meeting」は、10月28日(金)をもって終了いたしました。この場を借りて、ご参加・ご協力いただいた皆さまに改めて感謝申し上げます。

 4月から当法人事務局に着任し当事業を担当した田行(たぎょう)が、2ヵ月間の振り返りを兼ねて実施レポートいたします。

グループ利用・予約制「Outdoor Relax Meeting」

 Mizube Fun Baseのアウトドアオフィス事業は、街のすぐ近くに豊かな自然がある二子玉川ならではの働き方を創出することを目的としています。焚火を囲んだミーティングスペースが大きな特徴です。

 今年度は当事業を「Outdoor Relax Meeting」と名づけ、2人以上のグループ利用者を対象とし、WEBフォームからの事前予約にて利用募集をしました。昨年度は、時間内にテーブル席と焚火台席両方をご利用いただくプランでしたが、今年度は様々な使い方にお応えできるよう「テーブルタイプのみ」と「焚火台タイプのみ」、両方ご利用いただける「おすすめプラン」の3つのプランを用意しました。昨年同様、現地ではWiFiと電源を設置することで働きやすい環境を整備しました。

PC作業にぴったりな「テーブルタイプ」
チームの距離が縮まる「焚火台タイプ」

 私も着任して初めて知ったことですが、水辺にある兵庫島公園は都内屈指の夕日スポット。そのため、このアウトドアオフィスの終了時間は多摩川を赤く染めて富士山へと沈む綺麗な夕日を楽しんでいただけるよう日没30分後と設定されています。実際に私自身も感動するほど美しい日暮れの光景を目の当たりにして、リラックスしながら夕日をただ眺めること自体が、とても贅沢な体験だと感じました。

10月のとある日の16時頃 晴れた空と風が気持ちよいです
同日の17時半頃 多摩川に沈む綺麗な夕日が見れました

初の試み!アウトドアオフィスOPEN DAY

 今年度はより多くの方に河川敷の気持ちよさをカジュアルに体感いただく機会をつくるために、予約なしでお1人でも利用できる OPEN DAY を10月26日(水)と28(金)に開催しました。

実施の告知記事

 価格は30分500円/人で、焚火台2台・全12席をご用意したところ、2日間の利用者数は計26名(1日目:15名、2日目:11名)でした。参加者の皆さまには、焚火の利用目的や、よいと感じた環境要素などのアンケート調査にご協力いただきました。なお、当アンケート結果は、東京都市大学都市生活学部コミュニティマネジメント研究室との共同研究により分析し、次年度のアウトドアオフィスのプログラム構成に反映していきます。

案内看板は私の手書き!受付でコーヒーやマシュマロを販売したり、ブランケットを無料で貸出しました。

 実際に開催してみると、PCを膝に置いて作業をされる方もいれば、気分転換にただ焚火を眺める時間を過ごす方もいて、個人利用ならではの多様な使い方が見られました。また、何人かのグループで誘い合って参加された方々も、各々好きな時間に集まって好きな時間に退出する、というように自由にご利用いただける場となりました。

 また、OPENDAYでは1つの焚火台を6人で囲っていただきましたので、初めてお会いする人との相席もありました。スタッフは木を焚べながらそっと見守っておりましたが、自然と会話が生まれており、終了後のアンケートでは「はじめて会う方とのおしゃべり」がとてもよかった、との回答も。

受付にてチェックイン、アンケートをお渡しします。
焚火を囲んで座るだけで、自然と会話が生まれます。

 当法人のアウトドアオフィス事業は、予約のとりまとめから当日の設営撤収まで、外部委託せずにすべて事務局スタッフ6人で運営しています。そのうち4人が女性であり、限られた人的リソースで柔軟な対応が大きな課題でしたが、今回のOPEN DAYでは、利用者にもMizube Fun Baseのメンバーとして、薪割りなどの準備や片付けへのご協力をお願いしました。頼もしい助っ人の皆さまのおかげでスムーズな準備ができただけでなく、同じ目線に立って今後のMizube Fun Baseや焚き火の価値について作戦会議をしてくださいました。

 この場に参加してくださる方は、二子玉川の自然やアウトドアが大好きな方ばかり。「公共空間」だからこそ、事業者と参加者の壁をつくらずに、一緒になってこの場所をつくっていくことができると感じた一コマでした。

薪割りにご協力いただいた参加者の方
隙間時間では集まって作戦会議を実施!

焚火のあるアウトドアオフィス: 安全な運営のための工夫

 このアウトドアオフィスの最大の特徴は「焚火利用」が可能なことにあります。

 世田谷区立の公園内では焚火利用は条例により禁止されていますが、公園内にありながら公園区域外である「Mizube Fun Base」は区の都市再生整備計画に基づいた事業であり、加えて焚火実施に必要な消防署への届け出等をしたうえで運営しています。正しい焚火のルールを知っていただけるよう、事業実施中は通行されている方とも丁寧なコミュニケーションを心がけました。また、日没後は真っ暗になる兵庫島公園で、環境演出を兼ねて照明やライトも用意し、安全な運営に努めました。

日没後の焚火の様子
夕暮れから木に括りつけたライトを点灯
片付け時は照明を設置

 なお、当法人が河川敷において焚火を伴うアウトドアオフィス事業を実施するにあたっては、事前に近隣の方々へ安全運営の徹底やルールなどを表記したお知らせを回覧・配布しています。(下記画像参照)

河川敷でのアウトドアオフィス事業実施についての近隣配布資料

アウトドアオフィスの魅力と今後の可能性

 社会人になってから窓のないオフィスで勤務していた私にとって、屋外で仕事をする経験は初めてでした。マスクを外して外の空気を吸いながら、太陽の暖かさや心地よい風を感じていると、頭がクリアになったり、前向きな気持ちになったり、とても気分よく業務がはかどります。

 また、焚火を囲みながらのミーティングは、いつもよりリラックスして臨めます。全員が沈黙するような気まずい瞬間も、焚火のパチパチという音を聴きながらだと心地良い時間に変わります。

 カフェのテラス席ではなく、ワーケーションでもなく、身近に自然を感じ焚火をしながら働ける場所を提供していることがMizube Fun Baseの魅力のひとつであり、水辺が近い二子玉川の魅力でもあると改めて実感しました。

 今回、相席制にしたOPEN DAYでは、初対面の方同士の偶発的なコミュニケーションが生まれました。焚火が地域のゆるやかな繋がりを生むきっかけになる、という新たな発見をもとに、来年度以降も人と人が繋がるような場づくりに挑戦したいと思いました。

 街と水辺を繋ぎ、暮らしを豊かにするために、街のすぐ近くで自然を感じながら焚火ができるMizube Fun Base。これからどのような価値を創出していけるか、運営体制を整えながら試行を続けていきます。

アウトドアオフィスでは重い荷物をいっぱい運び、以前より体力がつきました!笑(左が筆者)

 アウトドアオフィス事業は10月末で終了となりましたが、土日祝日のフードトラックひろばプラスは11月末まで実施いたします。この記事を執筆時点(11月22日)で残すところあと3回。公式インスタグラムに詳細を投稿しておりますので、是非ご覧ください。引き続き、皆さまのご参加をお待ちしております。

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